目標10、人や国の不平等をなくそう

国家間の格差是正のため、国境を越えて国や企業に課税し、分配する「グローバル・タックス」の導入が検討されています。

また、途上国でつくられた作物や製品を適切な値段で継続的に購入する「フェアトレード」は世界的に広がりつつあり、国家間における経済的格差は小さくなる傾向にあります。

しかし、国内ではむしろ格差は拡大傾向にあり、日本でも多くの課題があります。

また、世界では経済的格差だけでなく、様々な不平等や差別があり、それらが格差を生む原因となっています。

 

広がり続ける格差

10%のお金持ちが世界の所得の約40%を所有

30%の貧困層の所得はわずか27

 

様々な不平等や差別

性別・年齢・障害の有無・国籍・人種・階級・宗教・難民・性的マイノリティ、など

 

目標10に関連した企業ができる取り組み

・男女平等の雇用と昇進(給料の男女格差の是正、女性管理職の登用促進)

・マイノリティの雇用(障害者や外国人などの雇用促進)

・マイノリティ向け新サービス(マイノリティ向けに特化した製品やサービス)

 

・均等待遇の推進(雇用形態によらず、同一労働同一賃金を促進)


アイデア1〈ファッションレボリューション〉

20134月、バングラデシュのファッションメーカー縫製工場が集まる「ラナ・プラザ」ビルが崩れ落ち、1,100名以上もの労働者が亡くなりました。事故の後、彼らがわずかな賃金で長時間労働を強いられていたことが判明しました。

これをきっかけに始まったのが、「ファッションレボリューション」。ファッション業界のお金の動きを知り、どのようにつくられた服を買うべきか、消費者が自分で考えよう、という運動です。一流モデルやメーカーが先頭に立って展開したことで、今や世界90ヵ国以上の国が参加する大ムーブメントになりました。

参加の仕方は簡単で、買い手が服の裏側についているタグを撮影してSNSにアップし、#WHOMADEMYCLOTHES(わたしの洋服は誰がつくっているの)というハッシュタグをつけてブランドに問い、作り手は#IMADEYOURCLOTHES(私があなたの服をつくりました)と自分の写真を発信します。


アイデア2〈ラクチンきれいシューズ〉

商業施設「マルイ」を展開する丸井グループは、消費者のニーズを100%かなえたいという想いから、サイズ幅を拡大した靴シリーズを開発しました。

サイズを増やすことの問題点は、大量の在庫品が生じることでしたが、お店でサンプルを試着し、ウェブ通販で注文・購入するという仕組みを導入し、在庫品をもたずに済むようにしました。結果、トラックによる輸送も減り、環境負荷も期待されます。

不平等があるということは、それを解消することに消費ニーズがあるとも考えられています。それを満たすことで利益を上げ、社会的使命も果たすことができます。