森林とその周辺の湿地、河川、湖沼などは、広範囲にわたる生態系と生物多様性を守っています。しかし、森林破壊や砂漠化が進むと、生態系のシステムが崩壊し、様々な生物の絶滅を招くことになります。
2019年、国連報告書は今後数十年でおよそ100万種の生物が絶滅する恐れがあると警告しています。
生物多様性
森林…キツネ、タヌキ、イノシシなど
湿地…トンボ、ゲンゴロウ、アメンボなど
河川…メダカ、アユ、ホタルなど
湖沼…カモ、ザリガニ、ドジョウなど
絶滅の主な原因
森林の伐採
絶えない密漁
生態系をおびやかす外来種
人間の手による乱獲
※生物多様性…地球上に多様な生物が存在している状態、および進化の過程で多様な遺伝子の全体が過去から未来へと受け継がれている状態を指す概念。
国際NGOの「コンサベーション・インターナショナル」は、急速に自然破壊が進む地域を選び、優先的に自然を守るべきエリアとしました。「生物多様性ホットスポット」と名付けました。例えば、固有種(そこにしかいない生物)の宝庫、マダガスカル、熱帯雨林が広がるスンダランド、日本列島もそのひとつです。生物多様性ホットスポットが決まったことで、国際機関は優先的にここにお金と人手をつぎ込み、環境保全活動を進めるようになりました。そのおかげで、活動の効率はよくなりました。
熱帯林の違法な伐採は深刻な問題です。違法者を陸地で歩き回って探すのではなく、宇宙から熱帯林を観察するシステムを「JAXA(宇宙航空研究開発機構)」「JICA(国際協力機構)」が協力して立ち上げました。観測装置「PALSAR-2」は、地面に電波を当て、反射される電波を受信して情報を得ています。太陽の光を必要としないので、夜も観測できます。この電波の波長は雲を透過する性質があるため、雨季も観測ができるのです。