食品の異物除去の方法⑥(金属探知機③)

レトルト食品やお菓子等、包装材にアルミニウム箔を使用した食品の検査に、交流型の金属探知機を使用すると、包材のアルミニウム箔の影響を受けるため、勤続の有無判定が困難になります。

そこで、アルミニウム箔を使用した食品工場のラインでは、直流方の金属検出器を用います。

直流型では、永久磁石で金属を磁化し、磁気的な変化をピックアップコイルで検知する手法です。

ベルトコンベアで搬送された食品に強磁性体が混入していれば、金属が磁化され、金属片の有無が確認できます。

一方、包材で使用されるアルミニウム箔は、非磁性体のため磁化されず、強磁性体だけが検知できるという仕組みです。

また、食品製造設備に多様されているステンレス鋼は、非磁性体ではありますが、その装置の一部の軽減劣化による破損混入する場合があり、この時は磁性体に変質するため、直流型での検知も可能であると考えられています。


食品の異物除去の方法⑤(金属探知機②)

金属探知機には、主に交流型と直流型に分けられます。

交流型はほとんど全ての金属が検出できる凡用型の検出器であり、検出に交流磁界を用いることが特徴です。

直流型も、ほとんど全ての金属の検出が可能ですが、強磁性体(鉄、ニッケル、コバルト等)と非磁性体(ステンレス鋼、アルミニウム、銅等)では検出原理が異なります。

強磁性体の場合、送信コイルから発せられた交流磁界により金属が磁化し、磁力線が金属側に引き寄せられます。これを、差動構成の受信コイルで検知し、金属の有無が確認できます。

一方、非磁性体の場合、送信コイルから発せられた交流磁界により、金属に渦電流が発生し、金属近傍に磁界が発生します。この磁場の変化を差動構成コイルで検知し、金属の有無を確認するのです。


食品の異物除去の方法④(金属探知機①)

金属探知機の基本構造は、振動子とコイルからなっており、振動子から発生する交流電流がコイルを通過

することによって磁場が発生し、金属がそのコイル付近に接近すると電磁誘導の効果から金属に渦電流が

発生し、そこでも交流磁場が発生します。

このため、磁場の変化を探知することで金属が探知される仕組みとなっています。

この原理を活用し、食品工場では、金属探知機が生産設備や備品が壊れたり削れたりしたことで製品に混入された金属片を消費者が摂取する前に発見する手段として生産設備の中に異物(主に金属片)探知用に組み込まれています。


食品の異物除去の方法③(目視検品②)

前項を踏まえて最近では、検品作業の自動化がしたいという要望が高まって来ているようです。

過去には検査機器メーカーが開発していても、製造メーカーが利益(製品)を生まないコストとして評価される事が多く、積極的な投資にならないという判断が多かったようです。

自動検査で導入実績が多いのは、金属探知機やX線分析機・計量器等です。

食品メーカーの目視検品は、食品独特の作業者の5感(視覚・触覚・聴覚・味覚・臭覚・5感複合)の中で特に視覚・味覚・臭覚辺りが必要になってくると考えます。

最近では画像分析とAI技術の組み合わせで、人の視覚に近い役割を担える検査設備が出てきているようです。


食品の異物除去の方法②(目視検品)

食品工場以外でも多くの現場で行われています。

代表的なのは、原料のチェックや製造された製品のチェック・数量の確認が主な内容です。

一定の規格を決め、沿わないものを発見した場合は不適合品としてラインから外し、手直しや廃棄品に回

します。

異物混入のチェック以外に、食品工場では原材料の熟度等の原料チェックの効果も期待できるため、なかなか機械化できないでいます。

メリットは、大型の設備の導入コストが掛からないのと、機械ではなかなか数値化できない検品作業者の

(キズキ)による発見が期待できる点です。

デメリットは、作業者の個人差やマンネリ化により作業そのものが形骸化していく点や作業者そのものが

異物の発生源になってしまう点です。

また、近年では作業者がなかなか集まらない工場や作業者に発生する給与が負担になっている工場が多いようです。


食品の異物除去の方法①

前回までで述べた様々な異物の混入対策に併せて数多くの対策が食品工場で練られています。

まずは、多くの食品工場で行われている異物混入対策を挙げてみます。

目視検品

検査機器による検知(金属探知機・X線分析装置)

金属・樹脂等異物が入りにくくする対策(メンテナンス強化・道具や機器の選定)

除去作用の構築(メッシュ・スクリーン・マグネット・遠心分離・ストレーナー)等でしょうか?


異物混入に対する現状⑩(原料由来の異物混入対策)

原料由来の異物のもう一つは、原料そのものに入っている異物です。

例えば、貝等では貝殻、農産物では農産物に付着した石や砂が原料と共に工場に入ってきてしまいます。 

それ以外に夾雑物も昨今では異物混入クレームになり、食品メーカーは対策を迫られています。

夾雑物を辞書で調べると、『あるものの中に混じっている余計な物』と出ています。

これには色々な種類があります。

魚では、皮・ウロコ・骨・血合い等

肉では、骨・軟骨・皮・爪等

野菜では、茎・芽・皮・種・芯等

それぞれの原料そのものが持っている部位を除去しなければなりません。

併せて、品質劣化(虫食い・腐り等・褐変等)で変質したものの混入を異物クレームになってしまいます。


異物混入に対する現状⑨(原料由来の異物混入対策) 

今まで取り上げた以外の食品メーカーの異物混入リスクは原料由来の異物があります。

原料由来の異物は2種類有って、1つは原料の包材や包材に付着している物です。

包材とは、主にビニール・段ボール、商品を包装する為の物で、時には瓶(ガラス)や缶(金属)もあります。

その他に、包材を包む為の包材や原料・副原料を包装していた包材も異物混入の原因になります。

特に原料を入れているビニールは、原料投入時に開梱作業をする為、製品に入りやすいです。

ビニールに着色(青等)して目視で発見できる様な対策をしている工場もあります。


異物混入に対する現状⑧(生産過程・生産現場異物混入対策)

食品工場で異物として発見される物は、昆虫・毛髪以外にもまだまだ有ります。

以前掲載した中で鉱物性の異物の代表格は、輪ゴム・クリップ・紐・ホッチキスの芯・工具・ネジ・ビス等があります。

これらの防御は整理整頓の強化や持ち込み道具の選定を行う事で対応しているようです。

整理整頓は定位置管理を行い、工具等の紛失に気付く仕組みを構築し対策します。

持ち込み道具の選定は、同じ道具でもなるべく砕けて飛散しない素材のものを選んだり、金属探知機で検知出来る物を工場に持ち込める部品・道具に選定し発見できる手段を得る取組です。

特にガラスの物は発見しにくいので(透明で発見しにくく、金属探知機にも検知できず、人に危害を与えうる)持ち込みは避けるのが望ましいと考えられています。 


異物混入に対する現状➆(生産過程・生産現場異物混入対策)

生産者由来の異物混入で多い髪の毛の混入対策は殆どの工場である程度の対策がされています。

よくされている対策は①専用のユニホーム・頭巾の装着②粘着ローラーを掛ける③エアーシャワーを通過して衣類に付着している異物(髪の毛を含む)を除去して入場出来るようにする。等でしょうか?

この様な対策を取っていても、クレームがなくならない製造メーカーはさらなる対策を取っています。(代表的な事例5つご紹介)

●粘着ローラーを持った担当者が、現場を巡回し定期的に作業者の体に粘着ローラーを掛ける。

●エアーシャワー内で、風によって飛ばされた異物の再付着を防ぐため、エアーシャワー内に粘着シート       を貼る。

●頭巾内にインナーキャップを更に着用し、頭巾内の髪の毛を固定させる。

●頭巾着用前に抜けやすい髪の毛を事前に除去する為、更衣室に各自のヘアブラシを用意する。

●ユニフォームから発生する静電気を問題視し、除電機能を持ったユニフォームに切り替える。

これらは、各工場で一定の効果があり、運用上必要な行為になっている工場が数多くあるようです。

ご興味頂けた現場のご担当の方は、是非ご検討ください。 


異物混入に対する現状⑥(生産過程・生産現場異物混入対策)

食品加工現場では昆虫以外にも異物混入の危険がありクレームになっています。

現状③に異物の種類を掲載しましたが、昆虫の次に多いのが、生産者(従業員)由来の異物です。

生産者由来の異物とは生産者から発生する髪の毛またはその他の人毛や着用しているユニフォームから発生する糸くず等です。

また、生産者が持ち込む物(文房具・工具等)を現場でおとしたことによる異物混入事故も多々あるようです。

その為、食品工場では入場口の制限や入場時の行為の強化を行っています。

入場の強化を行うことで異物混入事故の減少に併せて、菌・ウイルスの事故の防御に期待が出来るので一石二鳥と考え、各食品工場では、作業者に入場口の様々な強化を行っているようです。


異物混入に対する現状⑤(生産過程・生産現場異物混入対策)

生産現場での異物混入で一番多いのは昆虫と言われています。

昆虫は原料に元々付着して工場に侵入してくるケースも考えられ、前室での検品や原料を洗浄する工程を経ても100%取り切れない場合があります。

また、入出荷口や従業員の出入口・排水溝・窓等、生産現場への侵入経路も数多くある事や、内部で発生・増殖する事もあり、外部からの侵入・内部の増殖共に対策が求められます。

昆虫の特性を理解し対処方法を立てなければならない為、現実的な対策を取る場合、外部の専門業者の協力が必須となっています。


異物混入に対する現状④(原料由来の異物混入対策)

原料由来の異物混入を防ぐには、受け入れ時の対策が重要です。

仕入先によってもリスクは異なりますが、可能な限り衛生管理をしっかり行っている業者から仕入れる様にする為、仕入先の管理も必要になります。

また、受け入れ側は入荷場所と保管・調理場所は極力分ける事をお薦めします。

仕入れた原料そのものに異物が付着もしくは混入している事以外に、原料を梱包している包材(段ボールや発泡スチロール等)にも異物(包材のカスや昆虫)が一緒に工場に入ってくるリスクが考えられます。

入荷時に検品および記録をとる習慣が求められます。


異物混入に対する現状③

食品における異物とは、本来その食品(製品)に入っていてはいけない物の事を指します。

異物混入事故は主に下記の様な物が製品に入った時に発生します。

鉱物性の異物(石・ガラス・金属片・プラスチック片等)

植物性の異物(非食用の種子・わら・もみ殻・包装紙片・糸くず等)

動物性の異物(寄生虫の卵・昆虫やダニおよびその卵・サナギ・幼虫・髪の毛またはその他の人毛)

これらの異物は、原料そのものや生産過程・生産現場において発生し混入してきます。


フードセーフティーとフードディフェンス

上げさせていただいた事例は、同じ異物混入事故でもタイプが異なります。 食品業界ではフードセーフティー・フードディフェンスと分けて対策を講じています。

フードセーフティーは‟食品への意図的ではない異物混入を防止する取組”で、HACCPやISO22000を導入し対策を講じている企業が多いです。

フードディフェンスは‟食品への意図的な異物混入を防止する取組”で、中国の冷凍餃子事件をきっかけに必要性が論じられ、多くの食品メーカーが取り組み始めましたが、絶対的な対策は無いように思われます。


異物混入に対する現状②

国民生活センターの調べによると、2013年に食料品の相談件数が急激に増加したそうです。 この年は冷凍食品の農薬混入事件があり、その相談件数が増加の原因と言われています。 この事件は数ある異物混入でも特異で、原因が従業員の悪戯だった事から、多くの食品会社が再発防止策の検討・取組に頭を悩ませました。


異物混入に対する現状①

近年、食品会社で異物混入事故がニュースで取り上げられる様になり、私共製造者は、異物混入対策の強化に迫られています。 各社、様々な対策を取っていても、ニュースから消えることがありません。

前は、異物混入を発見した消費者が保健所や食品メーカーのお客様相談窓口に連絡していたのが、SNS等でニュースサイトに転載され多くの人の目に晒されるようになり、異物混入クレームの発信力が増大しているように思われます。外食産業でも同様の傾向があり、売り上げに大きく影響しています。


菌とウイルスの違い

細菌とウイルスを同じ物と考えている人は結構いるようです。

細菌もウイルスも、人に感染して困らせる、という点では同じですが、根本的に困らす目的が異なります。

細菌は、感染した生物から栄養をもらって増殖します。栄養があって一定の環境条件が揃えば増殖できるので、生物以外の物にも取り付いて腐らせます。

これに対し、ウイルスは生きている細胞にしか取り付きません。なぜなら、ウイルスは自力で増えることが出来ないので、感染した細胞を利用して増殖します。ウイルスはその遺伝子を「DNA」あるいは「RNA」という形でたんぱく質の殻の中に保有して運搬し、特定の生物の細胞に入り込んで遺伝子を作らせます。これが、いわゆる感染です。ウイルスが感染する細胞はウイルスの種類によって異なり、人や動物・植物・細菌のような単細胞生物に感染するものなど様々です。



細菌・ウイルスは大きさも全然違い、細菌は1マイクロメートル(1/1000mm)が用いられ、ブドウ球菌で0.8~1.0マイクロメートルです。

これに対し、ウイルスは1マイクロメートルの(1/1000㎛)のナノメートルの世界で、ノロウイルスの直系で30ナノメートルだそうです。

感染症に対する基本的な予防策は、まず清潔を保つことのほか、免疫力を低下させないことが大切です。日頃から施行できる予防策、手洗い・うがいを習慣しましょう。