食事摂取基準

「日本人の食事摂取基準(2015)」とは、国民の健康状態を向上させ、生活習慣病の予防、および重症化予防を目的に、エネルギー量や栄養素の摂取量を示したもので、厚生労働省が定めています。(平成31年度までの使用期間)

食事摂取基準では、「推定エネルギー必要量」が設定され、消費量と釣り合っていて体重に変化のない状態が最も望ましいという考え方のもとで、

推定エネルギー必要量(キロカロリー/日)=基礎代謝量×身体活動レベルの指数

として算定されています。

 

推定平均必要量(EAR)と推奨量(RDA)→健康の維持と増進、欠乏予防のため

目安量(AI)→上記2つを設定できない栄養素について設定される

耐容上限量(UL)→過剰に摂取することで健康障害を起こすことを未然に防ぐため

目標量(DG)→生活習慣病の一時予防を目的に食事摂取基準を設定することが必要なもの

 


食品成分表

文部科学省内で実際の食品を測定し、データ分析と資料の作成を行っています。それが、「日本食品標準成分表」です。

成分項目は、たんぱく質、脂質、炭水化物、灰分、無機質(ミネラル)13種、ビタミン13種、食塩相当量です。

実際に食品に含まれる成分量は、食品の部位によって差があり、採れる季節や地域、状態によっても差がでてきます。そこで、食品成分表に示されているのは、「標準成分値」です。

この表は、学校などの給食施設での栄養管理や栄養教育、栄養指導、栄養調査の実施、病人の食事設計から各家庭での献立作りまでの推進にかかわるものです。


生体調節機能(機能性成分)

食品の生体機能調節成分は、免疫系、内分泌系、神経系、消化系のような生理統合系を調整し、体調をととのえて病気を予防します。

この成分を効率よくとり込めるよう加工し、さらに一定の規格を満たしたものを「保健機能食品」といいます。

また、人による臨床試験で保健効果が確かめられたものは、消費者庁の認可を受けて「特定保健用食品(トクホ)」として販売できます。

そして、「栄養機能食品」は食生活で不足しがちなビタミン12種、ミネラル5種についての栄養素を補うために利用される食品です。

一定の規格基準を満たしていれば許可申請はいりませんが、機能だけではなく注意喚起の表示もする必要があります。

機能性食品には、機能性成分がはっきり特定できていないものや、保健効果が臨床試験で証明されていないものも数多くあります。

これらは、いわゆる「健康食品」「健康補助食品」として市販されています。


感覚機能(香味成分)

おいしさを評価するものは、視覚による形状などの外観、色、つや、嗅覚による香り、味覚による味、かたさ、歯ごたえ、のどごしなどの要因です。

その中でも食品の味覚は、体にその食品の持つ性質や状態を示す役割もしています。

甘味…糖類(エネルギー、血糖になる)

塩味…ミネラル類(電解質の存在、ナトリウム補給)

うま味…アミノ酸系のグルタミン酸等と核酸系のイノシン酸等(たんぱく質の存在)

酸味…酸類(未熟な果実、腐敗)

苦味…(危険な異物、避けるべき物質の存在)

これら5つが基本味とされ、ほかに皮膚感覚をともなった辛味、渋味、えぐ味があります。


栄養素の種類と働き

糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル(無機質)を、「五大栄養素」といいます。

このほかに、生きてゆくためには水と酸素も必要です。

栄養素の定義からみると、水は栄養素といえますが、栄養素には含めない場合もあります。

また、食物繊維は栄養素に含まれませんが、重要な働きがあります。

栄養素の働きは、大きく分けると次の3つです。

熱量素…エネルギー源となる。主に、糖質・脂質。

構成素…体の構成成分となる。主に、脂質・たんぱく質・ミネラル。水も重要な構成成分である。

調節素…体の機能を調整する。主に、たんぱく質・ミネラル・ビタミン。

また、栄養素の中には、人の体内で合成できないか、合成できても必要な量には足りないため、食事で摂らなければならないものがあります。

これらを「必須栄養素」と呼び、ビタミン13種とミネラル16種があります。


食品の機能

食品に含まれるのは、体を作り活動のエネルギー源となる栄養素だけではありません。

神経系、免疫系、内分泌系、循環系、消化系などを中心に体の調子をととのえる機能に大きな影響を与える成分も含まれます。

こうした、食品が生体に与える効果を「食品の機能」と呼び、次の3つに分けられています。

 

一次機能…栄養機能(生命の維持機能、五大栄養素の働きを指す。)

二次機能…感覚機能(味覚嗅覚応答機能。)

三次機能…生体調節機能(体の調子をととのえて健康状態を良くする機能。)


『栄養』という語の正しい理解のために

一般用語として、「栄養がいい」、「この食べ物は栄養がある」などということがあります。

これらは、学問的にいうと、前者は「栄養素が十分にとれている状態」をいい、

後者は「この食べ物には必要な栄養素が十分に含まれているということ」になります。

食物の中に含まれているのは「栄養」ではなく、あくまでも「栄養素」であることを知っておきましょう。