かまぼこ製品:包装かまぼこ

通称の包装かまぼこは、「特殊包装かまぼこ」の略称で、すり身をプラスチックケーシングに詰めて両端を密封し加熱殺菌する「ケーシング詰めかまぼこ」(ちーかま、等)、板付けしたすり身をプラスチックフィルムで包装し金型枠に入れて加熱殺菌する「リテーナ成型かまぼこ」があります。

「ケーシング詰めかまぼこ」は高温高圧殺菌(120℃4分間)により、極めて保存性が高く、「リテーナ成型かまぼこ」は生包装後に蒸気で加熱殺菌を行うので板付けかまぼこの姿をそのまま残し、かつ保存性がよいのが特徴です。


かまぼこ製品:蒸しかまぼこ

蒸気で加熱殺菌する「蒸しかまぼこ」は、東日本の腰高な板付き蒸しかまぼこ(普通品260g)と、西日本の比較的小振りな板付き蒸しかまぼこ(普通品130g)があります。

東日本(小田原型)は、外観に白さと光沢があること、食感は甘みを基調とした淡白な旨味と底魚の新鮮臭、しなやかな弾力ときめ細かさが特徴です。

西日本は、旨味と弾力のバランスがよくマッチしたものです。地域によって味が様々ですので、食べ比べていただくと楽しいと思います。


かまぼこの製品:風味かまぼこ

風味かまぼこは、カニ、ホタテ(フライ用)、エビ、アワビなどがあります。 この中でも、最も生産量が多く、食卓でも馴染みのあるものがカニ風味かまぼこです。

カニ風味かまぼこの原料は主にスケトウダラ冷凍すり身が使用されます。 カニの旨みは、グリシン、カニエキスが加えられます。刻み上の「カニちらしかまぼこ」「カニ足(スティック状)」の形がありますね。サラダやちらし寿司、酢の物の彩りとして活躍する食材です。


かまぼこ製品:卵黄もの

卵黄もので有名なものは、「伊達巻」です。鉄の角鍋で裏表両面を焼き上げ、竹のすだれで「の」の字に巻いて成形・冷却し、すだれを外したものになります。

名前の由来は、一般に女性が着物の着崩れを防ぐために、帯の下に締める幅の狭い帯のことだそうです。この姿・形が、かまぼこの伊達巻を指すようになったという説があります。

ほかにも、卵黄もので「厚焼」(こちらは焼き上げてから重石を乗せ、すだれは使わないもの)や、 「梅焼」(全卵を用いて浮かしたすり身を、加熱した鉄板上の梅花金型へ注入、両面を反転して焼き上げたもの)、 「バクダン」(鶏卵のゆでたまごの表面を、揚げ物用すり身で握り込んで揚げたもの)があります。


かまぼこ製品:茹でかまぼこ

調味すり身を成形し、熱湯で茹でたかまぼこのことです。

茹でる加熱方法は「焼く」に次に来るものと考えられ、最後に「蒸す」が開発されたといわれています。 はんぺんや、すじ、つみれ、黒はんぺんなど、それぞれの原料の魚臭や色調を抑える加熱方法として考え出されたのではないでしょうか。

魚とは思えないほどの舌触りと風味。かまぼこの中でも、茹でかまぼこはお子様にも大変人気です。


かまぼこ製品:揚げかまぼこ

揚げかまぼこは、かまぼこ製品のなかで最も生産量が高く、多くが惣菜として家庭の食卓に上がります。

種物入りが好まれる傾向で、ごぼう、にんじん、たまねぎなどの野菜類のほかに、ウインナー、チーズなど、バラエティ豊かです。

地域で人気の高い丸掛けの調味すり身を用いた「皮てんぷら」、「じゃこ天」などの揚げかまぼこは、その旨みと高い栄養価で高評価とされています。

これからの季節、炙っておつまみにも最適です。


かまぼこ製品:焼きちくわ

すり身を串(ステンレスパイプまたは竹筒)に巻きつけてあぶり焼きしたもので、円筒状になっているものが『焼きちくわ』とされます。

ちくわはかまぼこの原形といわれていて、現在も竹串を使用した手作りの握りちくわがあります。

青森県、宮城県では、「ボタンちくわ」という、表面薄皮にボタン模様の焼き色がある特徴のちくわがあります。主に、おでんの具材につかわれますが、そのまま輪切りで食べても美味しいです。

愛知県や三重県の「豊橋ちくわ」は、中央に焼き色が入り、両端には焼き色がつきません。

「野焼」は、一般的な分類ではちくわとされていますが、統計ではかまぼこに入れられている、島根県東部の出雲地方で昔から作り伝えられてきた、トビウオが主原料の大型のちくわです。

この他に、山陰地方の「鯛ちくわ」、徳島県の「竹ちくわ」、九州の「黄金ちくわ」、福井県や鳥取県の「豆腐ちくわ」があり、地域の名産として地元では根強い人気があるそうです。


かまぼこの原料:サバ(Pacific mackerei,chub mackerel)

わが国で一般的に「サバ」と呼ばれるものには、マサバとゴマサバがあります。

マサバは「ホンサバ」、「ヒラサバ」などとも呼ばれ、春から夏にかけて北上し、秋から冬は南下します。産卵期は3月から8月。最大50㎝を超すものもいます。秋ナスと同じように「秋鯖は嫁に喰わすな」と言われたりしますが、脂が最ものっていて美味しい時期は晩秋から翌年2月頃まで。10~11月のものを「秋サバ」、12~翌2月頃までの物を「寒サバ」と呼びます。産卵期は春から初夏です。

ゴマサバは名前の通り体の側面と腹側に多数の小黒斑があり、縦断面の切り身が丸いことから、「マルサバ」とも呼ばれています。ゴマサバはもともと脂質が少なく、一年を通して味もほとんど変わりません。ただ、マサバの味が落ちる季節に、それに代って大量に漁獲されるため、夏が旬とされています。

いずれも日本近海の代表的な大衆魚で漁獲量の多い魚ですが、マサバは近年漁獲量が減りつつあります。


かまぼこの原料:アジ(Japanese jack mackerel)

 アジには、マアジ、ムロアジ、シマアジなどがあり、マアジがかまぼこ製品、特に揚げかまぼこの原料として用いられているそうです。

ジを選ぶポイントは、「表面に光沢・張りがあるもの」。

旬で新鮮なアジは、「なめろう」というレシピが美味しく、よく食べます。お刺身やアジフライも定番ですが、この魚もかまぼこの原料として優秀な魚なのです。


かまぼこの原料:イワシ(Sardine,Spotlined sardine)

テレビを見ていたところ、その年によって変わるそうですが、日本で漁獲量の多い魚の1位が「鰯(いわし)」でした。 クイズ番組だったので、「鯵(あじ)」かなぁ、とわたしは漠然と答えていたので、少しびっくりしました。

イワシの練り製品といえば、関東のおでん種のひとつである「つみれ」。つみれ作りのポイントは、大量の熱湯水で茹でることだそうです。 熱が短時間に中心部まで伝導して、弾力を補強します。また、タンパク分解酵素を急速に失活させるのと同時に脂肪やアクを抜くことができます。

近年は不漁で、かまぼこの原料には採算がとれなくなってきましたが、好不漁に振り幅があるそうなので、今後に期待したいです。 国産の、安心できる食品がたくさん普及できますように。


かまぼこ板の話

かまぼこは、蒸す時、冷す時に、水分をはいたり吸ったりします。その際にかまぼこ板は、かまぼこの乾燥に合わせて水分を出し入れすることにより長期間一定の水分量を保ちます。これは木材の特性で金属、樹脂等では実現不可能です。これにより腐敗を抑える効果があります。

かまぼこが板付きになったのは、安土桃山時代といわれ、料理人が献上品としてのしつらえを持たせるための工夫もあったのかもしれません。その他にも、すり身に触らずに成形でき、加熱時などの持ち運びにも便利であることなど様々な役割を果たしているようです。

かまぼこ板には、白くて、節のない、しもにおいのない、モミやシラベといった木が使われますが、中には移り香を楽しむ目的でスギが使われることもあるようです。