国数 20
面積 1095万平方キロメートル
人口 6億7439万人(2020年)
西アジアや中央アジアはかわいた土地が多く、砂漠や草原が広がっています。古くからヨーロッパやアフリカと東アジアをつなぐ場所として栄えました。西アジアのアラビア半島に住む人たちは、アラブ人と呼ばれています。イスラームの文化も広く根付いています。イスラームを信じる女の人は「アバヤ」という全身を覆う服を着ます。
・元遊牧民たちの住む場所 … 西アジアではベトウィンと呼ばれる人たちが、ラクダや羊やヤギと共にテントで移動しながら暮らす遊牧をしていました。ベトウィンとはアラビア語で「砂漠の住民」という意味です。また、中央アジアの草原では、トルコやモンゴルから来た人が遊牧をしていました。
・石油で国を豊かにする … 石油が見つかったことで、多くの国は石油を売ったお金で発展し、暮らしは大きく変わりました。一方で石油が取れる国と取れない国で豊かさの差が広がっています。
・砂漠でどう生きる? … 砂漠の多い乾いた土地で仲良く暮らすため、さまざまな工夫を凝らしました。それが「イスラームという教え」です。イスラームの教えを信じる人は「ムスリム」と呼ばれています。世界に20億人近くいる中で9割ほどがスンニ派、1割ほどがシーア派です。西アジアの多くの人がムスリムで、毎日様々な掟を守って暮らしています。
イスラームの掟
・1日3~5回のお祈り
・毎年1か月間、日中に食事をしない
・ムスリムになるには、豚肉などを口にしない
・女の人はなるべく肌を隠す
・一生に一度はメッカにお参りに行く。
西アジア(中東)の国々
ほとんどは産業が成長しづらい砂漠でしたが、石油が発見されると国は一気にうるおいました。石油や天然ガスなどの地下資源が豊富です。しかし、開発のスピードや戦争によって、国ごとの豊かさに大きな差があります。また、今でも宗教や民族の争いや、アメリカなど西洋の国との対立がある国もあります。世界の中でも裕福な国がある一方で、戦争が続き、貧しく危険な暮らしをしている国もたくさんあります。
サウジアラビア … アラビア半島の大部分を占める国。土地のほとんどが砂漠で内陸部では寒さと暑さの差が激しく、夏は40度以上、冬は0度以下になることも。サウード家という王家が国のトップとして政治を行っている。メッカがある国としても有名。
イラン … 国土のほとんどが渇いた高原がや砂漠。石油や天然ガスなどの地下資源が豊富で世界でもトップクラス。国民のほとんどはイスラームでも数が少ないシーア派。かつてはペルシア帝国であり、アジア、アラブ、ヨーロッパなどの文化が交わり、栄えた。
イラク … 西アジアの中心部にある国。ふたつの大きな川によって平原がつくられ、古くからメソポタミア文明が発展。今でも農業が盛んなエリア。西部と南部の砂漠地帯では、夏は気温が50度を超えることも。アラブ人やクルド人など、さまざまな民族が住んでいる。
UAE(アラブ首長国連邦) … 恵まれた石油資源で発展した豊かな国。新しい街がたくさんあり、近代的な暮らしをしている。外国から多くの会社が集まるドバイは、経済の中心地として知られている。ペルシア湾に面し、海の近くは暑く、夏は気温が45度を超えることも。内陸にはさばくが広がる。
トルコ … 古くからアジアとヨーロッパを結び、人の行き来や物の売り買いがとても盛んな地。特に都市イスタンブールは、世界でただひとつ、アジアとヨーロッパにまたがった場所。いくつもの大帝国が国の中心地に選んだ歴史を持ち、トルコ料理などの文化が育まれた。
イスラエル … 南北に長い国。ユダヤ教、キリスト教、イスラームの聖地があり、古くから宗教や民族の対立が続いている。国はいくつかに分かれていて、ユダヤ教を信じるユダヤ人とイスラームの教えを信じるアラブ人は別々に暮らしている。
シリア … 地中海側は暖かくおだやかな気候で、農業がとても盛ん。また、石油も多くとれ、農業とともに国を支えている。国内外で長く戦争が続いている。
カタール … 日本の秋田県よりやや狭い小さな国だが、豊富な天然ガスで国はうるおっている。天然ガスを売ったお金で海を埋め立て、高いビルや大きなリゾート地など近代的な美しい街をつくった。
オマーン … 国のほとんどが砂漠で、石油が多くとれる豊かな国。家事などはメイドさんにお願いする家庭がほとんど。イスラームの中でもおだやかな教えを信じる人たちで、他の国とも中立な立場にある。
イエメン … アラビア半島の最も南にあり、古くからアジアとアフリカ、ヨーロッパを結ぶ交通で栄えた。海の近くでは農業や漁業が盛ん。また石油や天然ガスもとれるが開発が遅れたため、アラブで貧しい国のひとつ。
※今の国境は、約100年前にイギリスとフランスが勝手に線を引いて分けたもの。そのため、自然の地形や住む民族、宗教、文化などの違いは考えられていない。そして、それが今も続く長い争いに繋がっている。
中央アジアの国々
もともと遊牧民たちが多く暮らしていました。多くの国名についている「スタン」とは、ペルシア語で「土地」という意味です。ヨーロッパと東アジアを結ぶシルクロードがあったため、さまざまな文化が入り混じっています。30年ほど前までソ連(15の民族共和国から構成されていた,ソビエト社会主義共和国連邦)の一部だった国が多く、ソ連時代に成長させた産業が今も中心になっています。一方で、古くからの遊牧はソ連によって禁止され、今ではなくなっています。しかし馬やラクダ、羊などを育てたり放し飼いにしたりするのは今も盛んです。
カザフスタン … 面積が日本の約7倍もある世界で9番目に広い国。そのほとんどが人の住まない草原地帯。草原での牧畜の他、農業や工業も盛んで、地下資源も豊富。そのため、中央アジアの国の中では最も裕福。
ウズベキスタン … シルクロードが南部を通り、東洋と西洋の文化が交じり合った建物も残されている。国のほとんどが砂漠と平原で農業が盛ん。特に綿花の栽培量は世界トップクラス。
トルクメニスタン … 国のほとんどが砂漠で、夏の気温は最高50度、冬は最低マイナス30度と住むのが大変な国。しかし、石油や天然ガスなどの地下資源のおかげで電気や水道、ガスといった生活環境は整えられている。
アフガニスタン … 戦争が多く、険しい山はテログループが隠れるのにうってつけ。農業以外の産業はあまり発展しないため、国民の暮らしも苦しくなっている。
キルギス … 元々は遊牧民族で山岳地帯が多く、自然が大変きれい。中央アジアのアルプスと呼ばれている。日本人と顔がそっくりな人が多い。
タジキスタン … 大部分は東部の「世界の屋根」と呼ばれるパミール高原とそれに連なる山脈・高原からなり、平均高度は約3000mと世界で最も標高の高い山岳国家。